秘密の契約

2人で見るツリー

「君も一人でツリーを見に来たの?」


後ろでハスキーな声がした。


日菜は振り向くとおしゃれなスーツを着た青年が立っていた。


年は20歳くらいだろうか。


まだ大学生に見える。


青年の問いに日菜は答えなかった。


再びツリーに視線を移す。


「一緒に見てもいいかな?」


そう言って日菜の隣に立った。


微動だせずじっとツリーを見ている日菜をその青年はおかしそうに笑った。


日菜の耳に笑い声が聞こえた。


日菜は何がおかしいのだろうかと隣を見る。


「そんなにツリーが好きなのかなと思って」


「……きれいですよね」


日菜は初めて口を開いた。


「そうだね でもここだと半分しか見えないよ 近くに行って見ないか?」


日菜も近くで見てみたかった。


でも外に出たら寒くてツリーを見る所じゃ無いだろう。





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