秘密の契約
「逃げるからそんな事になるんだろ」


日菜のせいで階段から落ちた事が分かると郁斗があきれ返った。


「……」


「それで医務室でちゃんと話し合ったの？」


愛が聞くと日菜は首を横に振った。


それを見ていた３人はうなだれた。


「あ～！まだるっこしいな　まだ仲直りしていないのか？」


日菜がコクッと頷いた。


「日菜、千波様が好きなんでしょ？あの女に取られたくないんでしょ？」


愛が日菜の肩に手を置いて顔を覗き込むようにして聞く。


十和子さんに千波くんを取られるのは嫌……。


それにさっき否定してくれた……。


間をおいてもう一度日菜は頷いた。


「……だったら素直にならなくちゃ」


愛がにっこり微笑んだ。


「そうだよ　日菜は素直で良い子なんだから　ちゃんと話し合って解決すべきだよ」


梨絵も日菜を励ましつつ諭す。


「愛ちゃん、梨絵ちゃん……心配かけてごめんね　ちゃんと話し合う　あとで千波くんここへ来るって言ってくれたから」


心のわだかまりが解けたら早く千波くんと会って今までの事を話したくなった。




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