秘密の契約
日菜はテーブルに突っ伏した。


「お前、なにやってんの?」


郁斗が日菜の頭を小突く。


「だって……もう身体が痛いんだもん……」


「はっ!なさけないな」


お腹が空いてレストランに来た4人。


「すぐに身体が痛いなんて日菜は若いよ あたしなんて昨日は痛くなかったよ 今朝、死ぬかと思うくらい痛かったんだから」


愛が言う。


筋肉痛はすぐに出た方が若いって噂がある。


年を取ると後から痛むって。


「もう温泉に入りたい……」


午後はもう滑りたくなくなった。


「あったりまえだよ あんなに転んでたら よくケガをしなかったと思うよ」


そこそこスキーが上手な梨絵が言う。


「郁斗が中級者コースに連れて行くからいけないんだ……」


郁斗はこれでも妥協したんだぜと言った。


それはそうだ。


毎年冬になると郁斗は数回滑りに行くほどの腕前。


「それに久しぶりにスキーにしたんだからな 俺は本来スノボ派なの」


郁斗の滑る姿はカッコ良いから愛ちゃん惚れ直しちゃったかな?


日菜は心の中で思った。




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