秘密の契約

繋がる心2

「ひどい……」


潤んだ瞳をしばたたかせる。


「貴方と話す事はありません」


歩き始めた。


「待って!お願い 千波さんっ!」


乱暴に千波の腕を掴む。


「貴方を買いかぶりすぎていたようです 色恋沙汰に我を忘れている」


「どうしてっ!どうしてあの子なの!?」


自分は彼より4歳年上だがそれ以外にあの子に劣る所はそれしかない。


「どうして日菜なのか、あなたに言っても無駄です。俺には日菜は大事な子 これ以上日菜を傷つけるのは許さない」




~~~~~~~~~



千波はツリーの見えるテラスに立っていた。


外は日が落ち、ゲレンデがライトアップされている。


千波は携帯を取り出すと日菜にメールを打つ。


【今日は一日楽しんだ?今夜8時に2階のフレンチレストランで待ってる  千波】




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