秘密の契約
「あれ……?停電?」


ツリーがあったと思われる場所は暗かった。


日菜はキョロキョロと辺りを見た。


昨日のテラスから外に出るとツリーは点いていなかった。


「停電かもしれないね」


千波が言うと日菜は残念そうに頷いた。


「近くまで行こうか」


「でも真っ暗だよ?」


「それでもいいよね?」


ホテルやゲレンデは灯りが点いているから停電のはずはないのに日菜は停電を信じているようだ。


千波は日菜の手を握って階段を降りた。


昨日落ちた階段を滑らないように千波の腕に捕まって慎重に日菜は歩いた。






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