秘密の契約
「千波くん、クリスマスで食事したレストランで食べたいな」


「……明日にしないか?今日はルームサービスを頼んで日菜とゆっくりしたい」


間を置いてから話す千波くんをその時おかしいと思わなかった。


考える間もなく胸の中に閉じ込められて啄ばむようなキスをされると何も考えたくなくなった。



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「おはよう 日菜 起きて」


頬にキスを受けた日菜は眩しそうに目をこすりながら目を開けた。


厚いカーテンが引かれていて太陽の光が眩しい。


「千……もうちょっと……」


まだ眠くて温かい布団の中へ顔を隠す。


「日菜、もう8時だよ 今日はやる事があるんだ」


ベッドの端に座って日菜は髪を撫でられる。


日菜が起きない事には始まらない。


「……やる事?」


ボーっとした頭で考える。


「ホテルでウェディングフェアーをやっているから 今後の為に日菜のウェディングドレスを着てみないか?」


「ウェディングドレス!?」


結婚式をまだ挙げていないからウェディングドレスを着たことがない。


着てみたいと思っていた。


「千波くんもタキシード着られるの?」


「そうらしい 本番の為に一緒に写真を撮ろうか」




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