秘密の契約

「綺麗だよ　日菜　俺にはもったいないくらいだ」


美容部員がいる前で平気で甘い言葉を言う千波。


「こんなにしてもらっちゃっていいのかな？結婚式を挙げる時はここで挙げないと申し訳ないね？」


「そうだね」


千波は笑った。




「写真は教会で撮るからそろそろ行こうか」


「うん」


千波にエスコートされてホテルのロビーを歩いている時、スタッフの拍手に日菜は驚いた。


びっくりして千波を仰ぎ見る。


「恥ずかしいよ……」


「にっこり微笑んでいればいい」


千波に励まされるように微笑まれると本物の結婚式のような錯覚に陥りそうだった。