いにしえの伝説~鎖に絡まる約束~

近づいて窓の隣に寄りかかり、呟く。

「…ということだ。
情報が集まり次第、煮るなり焼くなり
好きにしろ。」

するとサアと風がなびき、
「やったー!久しぶりの獲物ー!」
その言葉と同時に窓から入ってきたのは
くすんだ緑色の長髪を上の方で縛っている
まだあどけなさが残る女性。
リューネはいきなり入ってきた侵入者を
警戒することなく話を続ける。
「くれぐれも…」
「分かってますよーう。
"適度に"痛めつけて
"適度に"恐怖を植え付ける、ですよね?」
「ほう、覚えていたか」
「さすがに毎夜毎夜枕元で
呪文のように呟かれたら
さすがに覚えますってー。」
リューネ様の鬼ー、あん時夢にも
出てきて魘されたんですからねーと
ブーブー文句を言うが
己の主君の冷たい微笑みで押し黙る。







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