いにしえの伝説~鎖に絡まる約束~
名もなき戦争
ひび割れ乾いた地上に対峙するように
二つの大きな塊。
よく見ると人間と様々な姿形の魔物。
「打倒、魔王軍!」
「我らに勝利を!」
「国王陛下万歳!」
人間側ではそんな言葉を口々に
武装した兵士たちが、
剣や槍を持って
魔王軍に突進する。
だがその表情は恐怖に歪み、醜い。
その後ろでは
対魔物魔王軍最新兵器が
広範囲に渡って敵味方関係なく
地上を蹂躙しているからだ。
「そんなものに我ら高等な
生物が屈するか!」
魔王軍の誰かが叫ぶ。
だが、その表情は
怒りと焦り、そしてわずかに恐怖に
歪んでいる。
魔王軍の数は一万。
それに対し人間側は三千。
明らかに魔王軍が圧倒的有利だ。
しかし、対魔物魔王軍最新兵器によって
元々ある魔力が発揮できず、
攻撃をするどころか
次々とその命を、散らせている。