いにしえの伝説~鎖に絡まる約束~
「此度の昇進、誠におめでとうございます。」
王宮を歩いていると、
いきなり後ろから声を掛けられた。
ばっと後ろを振り返ると
見慣れない服装で、まだ幼さが
残っている少女が立っている。

「…貴様は」
記憶を辿るがこの少女に見覚えがない。
きつく睨みつけると、

「申し遅れました。
私はこの度王宮巫女見習いに
なりました、ジーク・ネルファと
申します。あなた様の御武勇は
故郷にまでかねがね。」
少女は優雅に腰を折り頭を下げる。

「…そこまで広まっているのか」

「あなた様の統制力に
皆目を見張っているのです。
それはあなた様だから出来ること…」
その言葉と同時に頭を上げる。
< 8 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop