オタク女子。

「それで、悪いんだけど、さっきの1ヶ所だけエラー起こしてたから今直せる?」
「え、エラー?今直します!」
「出来たら、置いといて」
「はい」


私はひったくるように浅野さんからUSBを貰うと、PCに接続して内容を確認する。エラーはどこだーーと大量の文字の羅列をスクロールし、発見。浅野さんが遠くへ行くと笑いをこらえているひかるが目に入った。


「エラーとかウケww」
「黙って」
「焦ってたの?いくら新刊出てて舞い上がってたからって仕事に影響出すなんてオタクとして失格じゃ?」
「うるさい!今式書いてるから口出ししないで!集中できない!ああっ!ほら、ミスった!」
「"一生懸命な時はみんなダサいよ"」
「は!?」
「By むね ようこ」


ニヤリとひかるが人の悪い笑みを浮かべた。要するに…今私がダサいって言いたいわけね!?むきゃぁ!!


「ってか、むね ようこ を知ってるなんて意外。漫画は興味なかったんじゃないの?」
「俺は文学畑を歩く前は漫画畑にいたからな」
「…そうなの?」

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