オタク女子。

「…なんでひかるまでいるの」
「…さあ」

綾子先輩に置いていかれて私たち二人に。LINEの通知がブーブー来て開けてみると、予め打っておいたレベルでの長文がいくつか並んでいた。

「グループ名"賢ちゃん推し"になってるけど、…あれ、いつ俺賢ちゃんが推しメンになったかな」

おかしいなー?とひかるが呑気に呟いている。

「どうでもいいわ。それよりもほら、きちんと並んで」

ぐいっとひかるの腕を引っ張って彼をきちんと列に並ばず。こういうのはちゃんと並んでおかないと後でとんでもないトラブルになることが多いのだ。


「それよりも…え、賢ちゃんカラーのブランケット二枚に、首巻きタオルに、うちわ?あれ、ここの列ってうちわはなかったような…ちょっと!ひかる!」
「なに」
「ここは何が買える列?」

ひかるが自分の平均よりは高い身長を生かして、背伸びをして何が売ってるのかを確認する。

「うちわは別のブースだよ…」




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