オタク女子。
「君には女子に対する気遣いというものはないの!?」
酔っている勢いでガバーッとビールジョッキ片手に立ち上がる。その拍子に周囲の客が私に注目した。でもそんなの気にしない。ひかるはそんな私を覚めた目で見つめて、笑った。
「…お前が…女子?初耳だな。まあ、座れ」
ふがぁぁあああああ!
なんたる侮辱!私は立派な女子だ!女の子だ!
ひかるに腕を引っ張られて無理矢理座らされる。ひかるだって私と同じくらい、いやそれ以上飲んでいるのにまるで酔っていないのはなぜだ。
そして串刺しになっている焼き鳥を一気に引きちぎりながら私は言う。
「走れメロス!!あれは実はBLだという解釈があるがどう!?」
「やめろ!太宰治を汚すな!あれは真の友情の物語だ!」
ウキキキ。今度は私がお前の地雷を踏みまくってやる!