オタク女子。

ひかるの腕を引っ張って自分の方にひかるを寄せると、自分の腕をこの男の首に巻き付けた。


「おわっ!お前やめろ!飲み屋でヘッドロックとか!この酔っぱらい!」
「あはは」
「あははじゃねぇ!」


私が女であることを気にしてるのか全力では抵抗してこない。こういう気遣いは実に彼らしい。


「ああーー笑ったらスッキリした。うん、もうアイツのことは綺麗さっぱりおしまい。記憶の押し入れにポイってね。これを糧として次の男を捕獲しよう!」
「懲りねぇな」
「アンタも身を固めなさいよ。いい歳して遊び回ってるとかそろそろ潮時じゃないの」

ニヤッ。
どや顔してひかるを見た。

……見てはいけないものを見たような気がした。


「うるさいな」


そして私の表情に気がついて、

「それぐらい自分で決めるわ」

と笑って額を小突かれた。










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