オタク女子。
「さっき総務部の子がさつきちゃんを訪ねて来てたわよ」
「……総務部ですか?」
提出しわすれた書類とかはなかったはずだ。ちゃんと出してあるはずだ。急にそわそわと落ち着かない気持ちになって、不安になる。
綾子さんが意味ありげにニヤッと微笑む。
「確か…安部さんって子。余計なことを言うとあれはきっと色恋事ね」
「……身に覚えがないんですが」
「でしょうね」
でしょうね、って。悲しいです、綾子さん。
「話を聞けばきっとわかるんじゃない?っていうか仕事中にプライベートな話を持ち込んでくるとか論外なんだけど、面倒ごとになるのも嫌だし今行ってきちゃいな」
若干綾子さんはお怒りぎみだ。確かに仕事中に持ち込まれるのはイラッとくる。恋愛をしに来て仕事をしているわけではない。
「じゃあ、行ってきます」
一体なんの話だろうか…。