オタク女子。

「…ダイジョブ?」
「…は、何が」
「今日何だか様子変じゃね?」
「お前眼科行け。老眼鏡作ってもらえ」
「はーいー!?心配して損したー」

あっかんべー。
心配してやったらこうだ。
人の好意をなんだと思ってるのだ。

ぷりぷりしながら自分の分のコーヒーを用意しに給湯室へと向かう。

そこで浅野さんとかちあった。
なんという素敵な偶然!

「おはようございます」
「おはよう」

ああ、なんという爽やかさ。
私の不穏だったオーラがぱあっと浄化されるのが自分でもよくわかる。

「研修のことなんだけど、よく考えてね」

言われるのはやっぱりそのこと。

「はい…特に断る理由も持ち合わせてないんですが…年単位の研修になると話は別ですね」



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