オタク女子。
07 オタク帰郷

***

______私は母が苦手だ。

どうも反りが合わない。
数多く人と付き合えば、どうしても苦手な人も出てくる。それが私の場合、母だった。

母が嫌いな訳じゃない。
でも会うたびにお小言や怒鳴り付けられるのはもうごめんだった。だから、大学は上京して親元から離れた。



「………今日で半年かぁ」


前の彼氏にフラれてから半年。

___何で数えてるんだろ。
私はアパートの窓辺に寄りかかりながらビールの缶を開けた。プシュッという音が堪らない。



実はオタバレしてフラれたというのは嘘だ。
関係が終わったのは私が彼のプロポーズを拒んだからだ。当然、好きだった彼からのプロポーズは飛び上がるほど嬉しかった。本当に嬉しかった。

でも前の段階で意識を擦り合わせていなかったのが痛かった。


『結婚したら家庭に入ってほしい』











< 57 / 69 >

この作品をシェア

pagetop