オタク女子。
「あ、淺野さん!」
フロアを出たところで淺野さんと出会えた。今日もいい感じにカッコいい。癒される。
「おはよう。星野さん、悪いんだけど前の研修の話、今日決断出来ないかな?」
「え、今日ですか? いくらなんでもそれは………」
「そうだよね……でも向こうのプロジェクトが思ったよりも早く動くことになって、どうせなら始めからいたいだろ?」
「それは………そうですね」
淺野さんがお願いビームを私に送っている。この無茶ぶりを怒る気にならないのはきっと淺野さんだから。
面倒くさ………いや、今まで考えるのを先延ばしにしてきたけど、冷静に考えてみれば私を阻むものは何もない。ここでキャリアアップを狙うのも手だ。
淺野さんは私が仕事を出来るだけ続ける気であるのを知っている。