オタク女子。

「ううん。いいと思う」
「じゃあ、頼むぞ。すいません」

ひかるが近くにいた店員さんを呼ぶ。

「カルボナーラとマルゲリータをランチセットで」
「かしこまりました~本日のデザートはチーズケーキとなっておりますが、宜しいですか?」

「いいよな?」

ひかるが私に訊ねる。うんと頷いた。

「あ、大丈夫です」
「かしこまりました~失礼しますね~」

店員さんが慌ただしくメニューを奪い取って去っていった。ひかるが眼鏡のブリッジを上げて呟いた。


「……繁盛してるらしいな」
「ここのは美味しいって評判なんだよ」
「お前さ、俺とじゃなくて他の女子とは飯食いに行かないわけ?」

半ば呆れるようにしてひかるが言った。




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