オタク女子。

めんどくさいことになりそうだ…と判断した賢いひかる君はそのコーヒーで噎せた。ざまぁ!

「…なにを入れたキサマ」

今にも殺しそうな顔で私に迫ってくるひかる君。

残念、普通の一般の女子社員なら君の無駄に容姿端麗な姿にドキッとするかもしれないが、私は違う。伊達に積んだこの私の経験(乙ゲー)を甘く見るんじゃないわ!


トンッと私の背中が固い感触に触れた。あらやだ、壁じゃない。

「なにを入れたかと聞いている!こんなものはコーヒーではない」
「あら、おかしい。私のは美味しいのに。それよりもひかる君。私たち変な誤解をされそうになっていますが…?」


私がひかるの後ろを指差すとひかるがバッとその方向に振り返った。そして一人の女子社員が慌てて視線をはずし、逃げていった。

「…追い掛けなよ」
「…なんで俺が」
「早く」
「ほんとクズだなお前」


ひかるはとんでもない暴言を残して、その女子社員を追いかけていった。きっとひかる持ち前のスキルで誤解を解いてくれるに違いない。

私はその後ろ姿を見つめながら自分の美味しい(塩なし)コーヒーをズズッとすすった。











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