オタク女子。
**
「おーひかる君。きちんと任務は完遂してきただろうね?」
「誰だ、お前」
「田辺三等少尉」
「知らねーよ」
全く…と呟いてため息をついた彼の様子から判断するとどうやら任務は成功したようだ。良かった、良かった。
うちの職場は結構締まりがない。
っていうか、アットホームとでもいうのか。このぐらいの私語は皆結構する。やることが単調作業だから喋ってないと詰まらなくなるっていうのが本音だろう。だからいつも職場は誰も聞かない授業って感じでざわざわしている。
「おまえを葉蔵に例えたが、それは大いなる過ちだったことに気がついた」
「だから、誰なのそれ」
「おまえには優しさのカケラもないし、生きるためのエゴイズムも存分に持ってるし、似ているのは"道化"ということだけか…?」
「あんた…私を侮辱してるの?」
ちょっと、さすがに失礼すぎないですかね、その発言。私のキーボードを打つ手がスピードアップする。誰が道化ですって?