Gossip Church
墓地に着くと、町にいた時とは違って、冷たい風が体を蝕んできた。
もうすぐ、冬が来ることを告げているかの様だ。
この墓地は、町の丘の上にあるので、この町を一望する事が出来る。
そのせいで、少々寒いのかもしれないが…。
「おはよう、メグ。
ほら、見て!!この花可愛いでしょ?」
この墓地の真ん中に、リドリーはいた。
墓と同じ目線になるように、座って友達に話しかけている。
墓には―メグ=サーヒィン此処に眠る―と刻まれていた。
「メグが好きだった花、コスモスだったよね」
ザーッ───
風が木の葉を斬って、木の葉は風に運ばれずに落ちる。
「じゃあここに花、置いておくね」
リドリーが立ち上がろうとした瞬間、又風が強く吹いた。
「…………何だろ、この風」
冬に近づいているとはいえ、あまりにも強く、氷のように冷たかった。
「………っあ!!」
さっき墓に置いたコスモスが風で飛ばされてしまい、そこにはもう、何も無かった。