Gossip Church




(なんなの…これ……)




『怯えるな。これはそなたの力』


怖いで埋め尽くされた頭に、今度は頭の中から声が響いてきた。




「だ、誰っ」




『私はヴィエラ、と申します。大丈夫ですよ。そなたの敵ではありません』



(敵……じゃない?じゃあ何なの…)



『まだ、それは教えられません。
ですが、この闇はそなたの力です』



「えっ!あたし何も言ってないのに」




『声に出さなくても聞こえます。
それと…後々分かりますよ。この闇のことも、力のことも、自分のことも……』





そう言って、頭の中に響いていた声は消えてしまった。



頭の中から声が消えると、つられて漆黒の闇も消えて無くなった。



辺りには、先ほどのことが嘘かのように全てが元に戻っていた。



「なんだったんだろ…今の……夢…なわけないよね」



夢ではない。
それだけははっきりとしているのに、夢であってほしいと思う自分がいる。



何か自分が良くない事に巻き込まれてしまうような気がして…。
いや、自分が巻き込む中心なのかもしれない。



もし、今のが本当に自分の力なのだとしたら、
この先どんな道が待っているのか。
そんな事を考えていると、不安でいっぱいになった。









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