Gossip Church



さっきの事を考えながら、リドリーは家に着いた。

考えていても答えが出てくるわけではないのだが、自然と脳がうごいてしまう。


(うん!…さっきのことは綺麗サッパリ忘れようっ!!)






「あー!!お姉ちゃんお帰りー!!」

ドアを開けると真っ先にリドリーの妹が走ってきた。
勢いよく飛んでくる妹をリドリーはサッとかわす。







──ドスッ


案の定、妹はドアに顔面強打。


「お、お姉ちゃん。ナイス避けっ」


鼻血をたらしながら、妹はリドリーに向かってピースをする。



「おお、お帰り。リドリー。今日は墓参りにしては随分と遅かったじゃないか」
椅子に座って猫と戯れていた父親が、リドリーに言った。


「うん、まぁね。ちょっと……色々あってさ」



そう言って、つくり笑いをする。

今は自然に笑えるようなそんな気分ではなかったのだ。


「そうか。じゃあゆっくり休めよ」


「うん、そうする」



まだ鼻血を出している妹と、相変わらず猫と戯れている父親を通り過ぎ、
二階につながる階段を上ろうとしたとき、小さな異変にリドリーは気がついた。

「……あれ?ねぇ親父、なんで猫がいるの?」



リドリーの妹は猫が嫌いな為、飼わないようにしていたのだが、何故か家に猫がいる。


「お、コイツか?……そういえばリドリーには話すの忘れていたなぁ」


「今日、旅をしている人がこの町にいっぱい来たんだっ。でも、旅人が多すぎて宿がいっぱいになっちゃったから、ウチの家に泊まらせてあげてるの!!」


父親のかわりに妹が早口で説明をした。

「で、その旅人ってぇ奴が猫を連れていたわけだよ」
と、補足をした。






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