Gossip Church
(は?親父が?)
「えっと―……あのさぁ―…ここ、あたしの部屋なんだよねぇ―…」
旅人は黙ってこっちを見ている。
「だから、違う部屋行ってもらえないかな―」
「ああ、いいぜ」
と、それだけ言って、散らばっていた銃を片付け始めた。
「ね、あんたって何処からきたの?あんたの瞳の色、ここら辺では見ないけど」
リドリーは、その見たことのない瞳――赤色の瞳を不思議そうに見つめた。
「俺は、アディージャ国から来たんだ。俺がいた国では、この色は当たり前だったけどな」
「ふーん。アディージャ国ねぇ」
リドリーは納得したかのように頭を縦に振った。
「…まぁ俺は、てめ―の髪の色の方が珍しいと思うけどな」
「は?あたしの髪が珍しい?どこが」
リドリーは自分の自慢ではない、どちらかと言えば気に入らない髪をいじりながら言った。
「金髪なら金髪、栗色なら栗色ではっきり区別してほしいよな。ま、綺麗ではないのは確かだけど」
「は?」
なんなんだ、コイツは。
泊まらせてあげているのにもかかわらず、こんなにも喧嘩腰だ。
旅人っていう人はこういう奴なのか。
……いや、皆が皆、こういう奴ではないだろう。
例外もいるということか。