青空と真夏の海

新学期

2学期の初日。
「おはよー」
「おはよう!ねぇ千里、
今日転校生来るんだって!」
教室に入ったとたん、
親友の美鈴が駆け寄ってきた。
「転校生?どんな子なの?」
「それはわからないけど・・・
でも噂じゃなんか男子らしいよ」
男子と聞いて、私の胸が痛んだ。
遊介君、元気かな。
「千里、いつもと様子が違うけど、
いったい何があったのよ」
と聞いてきた。
「な、何でもないよ」
「本当かなぁ・・・怪しい」
美鈴はニヤニヤと笑う。
「本当に何にもないよ」
「そう?ならいいけど、
何かあったら絶対教えてね」
美鈴には、遊介君とのことを、
絶対に教えたくない。
そう思っていると、
「はい、みんな席つけー。
ホームルームを始める前に、
転校生を紹介する。さ、入りなさい」
そして入って来た転校生。
私はおもわず叫んだ。
だって、あの人は
「遊介君!?」
「えっ、千里の知り合いなの?」
と後ろの席の美鈴。
「千里!?どうして・・・」
< 17 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop