爆弾人生
紅
貴女は美しく咲き誇っていた。死ぬという生き方の瞬間、
紅く、散り逝くとき、それは最も儚く。それでも、まだそこにいるようだった。
きっとそのはずなんだ。
あの時の行動を見てたのに。今もなお神隠しのまま見つからない貴女。ずっと見つけてあげられなくて、寂しい思いをさせたね。
だから。私も消えてなくなる。そして報われたい。
今思うとあの日のしこりが傷む。
物思いに更けるといつのまにか周りが暗がりに隠る。
目をつぶれば。
歳月がすぎて、無限の世界が広がるのに、今、この私の空間に貴女はなぜか存在して私をよんだ。
校舎の窓から憂鬱な顔で校庭を見る少年が目の前にいる
窓側の一番後ろの席に彼はただ流れ行く時に酔いしれていた。
そんな彼のだけの空気に私もたたずんでみた。
すると不思議なことに彼の意識のようなモノが私に流れてきた。
「あんたなんて生まれなきゃよかった!死ね」
『あぁそうだよな死んでやるよ』
衝撃的でリアルな意識が飛んでいる。
それは卑劣のうえ、その場は凍りついた。声を荒げる女性と今そこにいる生徒のやり取りで、おそらく彼は誰かに死ねと言われている声が彼の死んでやるという二つの声が私の耳にテレパシーの如く伝わったということか。
きっと、これは私の妄想だともしくは疲れているのかもと感じていたのだが、その10分後に予期せぬ事態が起こり始めた。
なんと、彼は自分の左隣の開いていた窓から飛び降り降りようとしていた、それは丁度、朝の9時、授業が始まる瞬間だった。
この教室は四階だから飛び降りてしまえば助かる可能性は低い。だが、百パーセント確実に死ねる高さとは言えない。
そうは言っても彼の異常な行動に当然の事ながら周りは大騒ぎしていた
ただ唯一周りは彼の行動に対して止める人は居なかった
そして私もその一人だということを‥。