涙色。

ある日の休み時間。

1人でぼーっと席に座っていた。


「なにしてるの?考えごと?
 …あはは!おもしろそう!
 りいもするーっ」


楽しそうに笑いながら西山が隣に座った。

そして、俺の真似をしてほほずえをする。


…やっぱ、かわいいな。


西山はクルクルとした大きな目で顔をのぞいてきた。


…ドキン…


俺は胸が痛くなる。


「髪、ちょっと長いね。切ったほうがいいよ!今よりかっこよくなると思う!」


西山が自信満々に言う。

俺は少し目にかかってしまうくらい髪をのばしてた。


人目をさえぎれるように。


でも、西山が言うなら切ろうかな…。と思う。


< 18 / 99 >

この作品をシェア

pagetop