涙色。

*隣の隣の席


案の定。

次の日は、隣の隣の席にいる黒崎が気になって仕方ない。

今は6時間目の社会。

たらたらと先生が長い文章を黒板に書いていく。

社会は眼鏡…っていうか老眼鏡をかけてるおじいちゃん先生だから寝ててもばれない。

でも、今日は寝てなんかいられない。

ちらっと横目で窓側から2列目の黒崎を見る。

私あきらかに挙動不審だ。

今日はもうずっとこんな感じ。


黒崎の横顔は、いつも真剣で…。

って何考えてんだ。

シャキッとせんかい!
私!


そう自分に言い聞かせるけど、なぜだかまたすぐ見たくなる。


よしっ。


そしてまた盗み見る。


やっぱり、かっこいい。


しっかりセットされてる髪。

朝いつも頑張ってるのかな?

そう思うと少し笑えてくる。

すらっとした鼻立ちにまっすぐで純粋な瞳。


やばいなぁ。


黒崎がこんなにもかっこよかったなんて知らなかった。

黒崎は委員長をずっとしてるし、男女共に好感度がある。

おまけに女子にもよくモテる。

身長も高い。

身長高い人って、ヘロヘロな人多いじゃん?

でも黒崎は全然違うくて。

身長に負けないくらいしっかりした体つきで、細身ですらっとしてるように見えて、結構な筋肉質。


これも今日見てて分かったことだけど。


今日見てただけでそれだけ分かるって…。

1日中見過ぎだろ!

ストーカーみたい!?

自分が怖いや…。


私は1人でムンクの叫びのような顔をする。


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