涙色。
「あー。何やってんだろ。」
部屋のベッドにうなだれる。
あの後。
黒崎はびっくりしていた。
「…へ?」
と、腰の抜けたような声を出して、
なでていた手を急いで引っ込めてしまった。
「ご、ごめん。嫌だったよな。ごめん!」
黒崎は謝ると「しまったー。」を繰り返していた。
確かに、私は男性恐怖症である。
中1のとき、いつものように夜遊んでいたら男友達が連れてきた19才の人。
この人が原因。
名前は成宮優都。
初めて見たとき、胸が高鳴った。
すごくかっこよかった。
そうだな。
整った、さわやかな…甘い顔。
声が少し違うだけで。
とても、川木先生に似ていた。