涙色。

精一杯ニコニコするけれど、自分で言っていて切なくなる。


そっか。

私が頑張らないとダメなんだな。

もうそんなことになってる時点で終わっちゃってるの?

私たち。


そんなの、嫌だよ…。


ぎこちなく笑う私のほほに一滴の水が流れる。

そしてまた一滴…と流れていく。

もう、止まらなかった。


「…うっ…。」

声がでてしまう。

そんなに泣くこと?

私が頑張ればいいんだよ?

泣いてちゃだめ。


すると、優都がほほに優しくキスをした。


…ズキン


そしてそのまま口へと唇を伝わす。

ゆっくりと長いキス。


…わかんないよ。

なんのキスなの?

どういうことなの?

私はバカだから…。

はっきり言ってくれないとわかんないよ。



「もう限界…かな。」



優都がやっと口を開いた。


…限界?


「大好きだ。…いや、愛してるよ。」


少し照れたように、でも真剣に私に訴えてくる。

「うん。私も!愛してるよ?」

私は精一杯にほほえんで、寂しさと不安をかき消す。

でも、ほほえんだところで、それがきれいにかき消されるわけでもない。


むしろ、どんどん増すばかり。


…限界って、何がだろう?

私に愛想が尽きたってことかな。

やっぱり遊ばれてた?

でも、優都はそんなことしないよ。


そう思ったところで、そんなことないという確証はどこにもなくて。


でも。

大好きって愛してるって言ってくれた。


全部、嘘なの?


優都はもう一度、私にキスすると何も言わず帰ってしまった。


私には追いかける勇気も自信もなくて。


ただただ背中を見つめることしかできなかったんだ。




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