涙色。

「ははっ。ほんとだから…」


笑っているけどかすかに声が震えている黒崎。

平気そうにさらっと言ってるけど、本当はすごく緊張してんのかな…。


夕日のせいで顔が赤いのかもわかんないよ。


強がりで人思いな黒崎。

本当に愛おしく感じる。


「…うん。ありがとう」

たくさんの笑顔で私の想いを伝える。




「…その笑顔、好き。


  …じゃなくて、俺は、西山が好きなんだ」


黒崎が少しだけ震えるその声で言ったんだ。



夕日の赤さに隠れるように…。





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