涙色。
*告白
まっすぐな瞳は、夕日の赤さの中でも分かる。
私のことが、好き?
黒崎が…。
そんなことひとつも知らなかった。
というより、そんな想いに気づけなかった。
いつもその瞳は私に向けられていたの?
私は…私は黒崎のこと、どう思ってるの?
好き
なのかな?
話したくなったり、ドキドキしたり、笑顔が見たいって、そう思うことってやっぱり好きだから?
『もう限界…かな』
こんなときに優都のあの言葉を思い出してしまう。
また本当に人を好きになって傷つけられたら…。
怖い。
だからっていつものお遊び感覚で付き合うのも嫌。
というよりそういうのは、だめだと思う。
黒崎は大事な人だから。
ちゃんと本気で向き合いたい。
でも黒崎は私でいいのかな?
私は今でも優都のことを思い出す。
思い出しては悲しくなるけど、恋しくなってしまう。
大嫌いなはずなのに。
心のどこかではまだ好きなんだと思う。
こんな不安定な気持ちのまま付き合っても、黒崎に迷惑をかけてしまうだけだ。
考え込んでしまった私を心配そうに見つめる黒崎。
「いやなら、いいよ。でもどうしても好きなんだ。付き合って…ください」