涙色。

頑張って平気なふりをする。

でも全然平気じゃなくて。

ドキドキする鼓動が全身に伝わって声が震える。


だせーな。

弱っちくて情けねー。


「…うん。ありがとう」


さっきの何倍もかわいい笑顔で、うれしそうに言ってくれる。


ドキドキして心臓が痛い。

顔が赤くなっていくのがわかる。

でも、夕日が照らしてくれてるからよかった。

西山には分からない…よな?


そろそろちゃんと言わないと。


「その笑顔、好き」


笑顔も好きだけど、
そうじゃないだろ?

頑張れよ!俺!


「…じゃなくて。俺は西山が好きなんだ」




言い切った。

心臓がバクバクいって暴れてる。


でも西山は俺のこと、どう思ってるんだろ?

一方的にずっと好きだった。

でも西山は…。


目の前の西山は少し困った顔をしてうつむいている。

そしてどんどん涙目になった。


嫌だったんかな。


「いやなら、いいよ。でも、どうしても好きなんだ。付き合って…ください」

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