涙色。

どうしようもない不安が俺をおそう。


ずっと好きだったんだ。

お願い、神様。


俺は無理なのか?


「ごめん。私ね、黒崎に迷惑かけられないや。黒崎のこと大切だけど、傷つけたくない」


西山は震える唇で一言一言噛みしめるように言った。

俺の大好きな西山の笑顔は消えて、涙で溢れている。



ズキズキと痛いくらいに鼓動が俺を刺していく。


なに泣かせてんだよ。

困ってんじゃん。

俺はやっぱりだめなやつだ。


西山の目は潤んでいて俺を見つめている。

鼻の奥がツーンとしてくる。


…5年、好きだったんだ。

ずっと西山が好きだった。


西山にとって俺はどんな存在だった?

ただのクラスメイト?

ただのいい人?

たぶんどれも当てはまるんだろうな。


それ以下でもないし、それ以上でもない。

俺はそのくらいの存在だったんだ。


なんで届かねーんだ…。

俺の想いはいつ届く?


もう、胸が張り裂けそうだ。


なんだかすごい…みじめでさみしいな。
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