涙色。
*噂
次の日。
やっぱり気まづい。
『気まづいのなし』って、『いつも通りな』って言ってくれたけど、やっぱりめっちゃ気まづいよ…。
「はぁ」
大きくため息をついて机にうなだれていると、前の席のゆんが後ろを向いてきた。
「お疲れですか?」
にやにやしながら聞いてくる。
「うん…。だからほっといて」
そっけなく突き返す。
それでも負けじと食いついてくる。
「先生!どうなったの!」
そういえばそうだったなー。
ゆんと川木先生をおとす約束をしてるんだった。
いろんなことがありすぎて、すっかり忘れてしまっていた。
「まぁまぁかなー」
ゆんに少しにやけながら言ってみる。
するとゆんは怒ったように、でも興味津々で聞いてくる。
「まぁまぁってなに!?まぁまぁって!さては人に言えないことでもあったの?」
「内緒ーっ」
めんどくさかったから内緒にしておいた。
「なんなのそれー」
ふてくされた顔をするゆん。
あの日の事は忘れたいし誰にも言わないって決めたの。
ごめんね、ゆん。