涙色。

「は!?訳わかんないし。海斗くんがあんたのこと好きになる訳ないじゃん!」


ムキになって声を荒げる麻希。

そりゃそうだよね。

自分の好きな人とられて腹立つよね。

でもそれを私に言われてもな…。


「そうだよね。私も何でかわかんなかった。でもさ、黒崎が誰を好きになろうが、それは麻希のせいでも私のせいでもないよね?」


冷たく、何の感情もこもってない声。

麻希は舌打ちをすると教室に戻っていった。


めんどくさ。


壁にもたれ込むと階段に隠れていたゆんがニコニコしてこっちに来る。


「ね?変な噂流れちゃってるよ」

「そういうことかー」

「んで?本当のところはどうなの。どうなってんの?」


言うしかないか…。

「ちょっと長くなるかもよ」

「全然いい」

ゆんは大切な親友だし全部言っちゃおう。

私は先生とのこと黒崎とのことを簡単に説明した。


「…そしたら昨日好きだって言われて」

「じゃあ、付き合ってんだ」

「ううん。…断った」




しばしの沈黙がながれる。



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