涙色。

*無視


いつものように放課後「またね」って言おうと思って黒崎に近づく。


…ドキ…。


いつものように心がざわつく。


「黒崎っ。バイバイ」


いつものように優しい声が返ってくる。

…。

…あれ?

黒崎?


目の前の黒崎は私に背を向けたままだった。

何も…言ってくれないの?

そのまま黒崎は先生に呼ばれて行ってしまった。


なに?

なんで…。



少し離れたところから「クスクス」と笑い声が聞こえてくる。

声のするほうを見ると麻希がいる。

そして何人かの女子とこっちを見て笑いあっている。


なんなの。


胸がズキズキして痛い。


何が起こっているの?







< 63 / 99 >

この作品をシェア

pagetop