涙色。

私の声と同時に入口の扉が勢いよく開いた。


「先生、さすがにしつこい。俺の彼女に手…出すな」



…黒崎…。


またまた前にもあったこの状況。

いや、それより、

彼女?



「黒崎…?今、大事な話をしてるから出て行きなさい」


少しひるんだけどムキになる先生。


「ふーん。教師が生徒に手を出してんのが大事な話?」


黒崎は先生を見下げて言った。

黙り込んだ先生を横切り、私の前にくると手を握った。


思いがけずドキドキしてしまう。


「じゃあ、俺ら帰るから」


黒崎は優しく手をひいて扉のほうへ歩き出す。

久々に触れた黒崎の手は大きくて、優しくて、安心感がある。


やっぱり、好きだった。



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