涙色。

校門をこえると、黒崎はすぐに手を離した。


あ…離れちゃった…。


「ごめん嘘ばっか並べて。ごめんな」


嘘、かぁ。

さっきの好きっていうのも嘘。


「あー、手も…ごめん」


手…うれしかったけどな。


「西山もさ、話し合わせてくれてありがとうな。じゃあ」


黒崎が背を向けて帰って行ってしまった。


話しあわせる?

あれは違うよ。

本当の気持ちなのに…。

黒崎は嘘だって思ってるの?



ちがう。

ちがうってこと、ちゃんと伝えないと。



かなり遠くに行ってしまった黒崎を追いかける。




走って走って…大好きな君を追いかける









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