涙色。

*黒崎side


放課後。


先生に頼まれた仕事をこなしていく。

2、3枚の紙の束をホッチキスでとめる。


はぁー、

めんどくせぇ。

頼ってもらえるのはいいけど仕事押し付けるのは違うだろ…。


誰もいない5時過ぎの教室で1人、紙とホッチキスの音だけがこだまする。


ーガラガラ


「黒崎ありがとな。あとは先生がするから帰っていいです」

「…はい」


やっと終わったぁー。

そういえば先生、まだ西山のこと…。



「あの、西山のこと…まだ好きなんですか?」


「…」


「俺、好きなんです。あいつのこと。生徒に譲ってください」


笑いまじりに言う。

けど、先生は笑ってない。

「もう忘れてくれてると思ってました。生徒だからって…譲りません」


やっと少し笑いながら答える先生。


さわやかな笑顔…。

こうゆうのが女子って好きなんだろうな。

ってか何か悔しい!

教師に負けるとか嫌なんですけど!


「…俺、西山と付き合うから。手、出すなよ。じゃ」


やっちまった。

付き合ってもないのに意地張った…。

バカだ。



何か言いたげな先生をおいて教室を出た。





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