涙色。
俺は西山のことばっかり考えてきた。
だから高月が俺のこと…なんて…。
okする?
「海斗くん、好きな人いるんだよね!その人以外は断ってるって聞いたから…。私も断られるのかな…」
少し笑いながら、でもさみしそうに高月が言う。
確かに、西山にずっと一途だったから告られても断ることばかりだった。
でも、フラれた今じゃ断る必要もない訳だ。
「今は答えられないや。ちょっと…フラれちゃって。高月を断る理由なんてなくなったけど、まだ…好きなんだ…」
「それって…西山りい?」
「え」
何で知ってるんだ!?
高月は焦ったようにまた話しだす。
「いや、えっとね!見ちゃって…。西山さんに迫られてたよねっ?あんな手に引っかかっちゃだめだよ!あの子すごい性格悪いし、かわいくないし!男とばっかりいるし、最低な子だよっ!?」
高月の素がどんどん出てくる。
最初、猫かぶってたのか。
それより西山の悪口ばっかり言いやがって。
かわいいとか思ってたけど、やっぱし腹立つわ。
「そういう悪口っつーの?西山の前で言ったら?裏でぐちぐち言うやつ嫌いだわ…。西山なら本人の前で言うと思うけど。かわいくない?西山はすげーかわいいと思うけど?性格悪いとか…。人の事言えねーんじゃねーの?」