涙色。
俺のせいかよ。
そりゃ西山しか見てなかったし悪かったけど…。
でも、少しだけ心がズキズキした。
どれだけ想っても届かないつらさ、俺も知ってるから。
ボロボロと泣き出す高月は俺を見てるようだった。
好きでも届かなくて…。
伝えても届かない。
じゃあ、いつ届く?
もう、届かない…?
不安と苦しみが増えていくだけ。
叶わない片想いのつらさは、よく分かった。
俺は今でも、もしかしたらって思ってる。
もしかしたら好きになってくれるんじゃないか、
もしかしたら付き合ってくれるんじゃないか、
もしかしたら、もしかしたらって。
かすかな望みにかけている。
それってほんの少しの希望が大きく見えてしまうだけで、本当はつらいほうがはるかに大きい。
そういう思いすんのは、俺だけで充分だ。
今度は俺のせいで高月が同じ思いをする。
誰もこんな思い…味あわないほうがいいんだ。
俺にできることを、するよ。
ーぎゅっ
右手で高月を抱き寄せる。
「もう、泣くな」
「…うぅっ…海斗くんがいないと…だめなのっ」
「…うん、俺がそばにいるから…」
こうして付き合うことになってしまった。
好きじゃないという大きな嘘をかかえて…。