涙色。
「なんでここにいんの…」
驚いて声にならないような声が出る。
西山も驚いて目が丸くなっていた。
「西山さんごめんね?私の彼氏だからさ、しゃべんないでよ。お願いね?じゃ、今からデートだからっ」
高月は無理やり腕を絡めてきて歩き出す。
こいつ、まじ何!?
いいとこだったのに…。
俺の想いが届くはずだったのに…。
高月とはもう別れたい…。
「あのさ」
「言っとくけど、別れるつもりないよ?」
最悪。
「…いつからいたんだ?」
「んー?放課後、一緒に帰ろうと思って待ってたら、西山さんと手つないで走っていくの見えたから。ずっとついて行ってた」
こわ。
「…君は、ストーカーですか…」
「違うもんっ」
そう言いながら高月は俺に抱き着く。
あんま嬉しくないし。
0レベルだ…。
「ねーえー?海斗くん?好きだよ」
「…ん」
この返事は『ん』で充分。
「好きって言ってよーーーぉ!」
高月は怒りだす。
めんどくさい。
帰りたい…。