涙色。

玄関口に近づいてきた。

「で、あのさ、ひとつ聞いていい?陵河たち…何がしたいの?」


私をおろしながら途中で合流した陵河に黒崎が聞く。


「俺らは海斗を拉致した!お前は今から5日間家に帰しません」

「はぁーー!?」


黒崎の声はどこまでも響くほど大きかった。

よほどびっくりしたんだろうな。

私も聞かされたときはびっくりした。



それは3日前。


麻希に黒崎を持ってかれたときのこと。


『元気だせって!俺にいい考えがある。耳貸して』

『…うん』

『終業式の日に海斗を拉致る。

んで、5日間旅行しようぜ?

もちろんWデート的な!

これは海斗を高月から離すためだし、
りい達をくっつけるためでもある!

決して俺が彼女といたからじゃないぜ!?』


って。







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