涙色。
*最善策
「蘭んんんんーっ」
陵河が甘ーい声をだして、派手な女の人に抱きついた。
…蘭??
誰だろうと思い顔を見ると、陵河と同じく夜仲間の蘭だった。
「りい姉ー!」
蘭は陵河をぶっ飛ばして抱きついてきた。
2つ上の人だけど、だいぶ後から夜仲間に加わったから、なぜか"りい姉"って呼んでくる。
性格も甘ったれで天然。
でも、すごくかわいい人。
セミロングでくるくるした髪。
明るい茶髪で見た目は不良っぽいんだけど、家がお金持ちのお嬢様ってのは噂で聞いた。
ってことで、宿泊先は蘭の家の別荘。
…らしい。
別荘ってすごいんだろうな…。
「蘭、久しぶりだね。別荘ってどのくらいで着くの?」
「んー、10分?くらい?」
遠くもないし、近くもないね…。
うん。
「歩こうか」
駅で立ち止まっていた私達はようやく歩き出した。