涙色。

*最善策



「蘭んんんんーっ」


陵河が甘ーい声をだして、派手な女の人に抱きついた。


…蘭??


誰だろうと思い顔を見ると、陵河と同じく夜仲間の蘭だった。


「りい姉ー!」


蘭は陵河をぶっ飛ばして抱きついてきた。

2つ上の人だけど、だいぶ後から夜仲間に加わったから、なぜか"りい姉"って呼んでくる。


性格も甘ったれで天然。

でも、すごくかわいい人。

セミロングでくるくるした髪。

明るい茶髪で見た目は不良っぽいんだけど、家がお金持ちのお嬢様ってのは噂で聞いた。


ってことで、宿泊先は蘭の家の別荘。


…らしい。

別荘ってすごいんだろうな…。


「蘭、久しぶりだね。別荘ってどのくらいで着くの?」

「んー、10分?くらい?」


遠くもないし、近くもないね…。

うん。


「歩こうか」


駅で立ち止まっていた私達はようやく歩き出した。







< 98 / 99 >

この作品をシェア

pagetop