フラワー・バレンタイン
《河野正義の探り》

午後7時15分。

河野正義は伸びをする。

オフィスにはもう、課長と俺達2人だけ。

お、そろそろか。
課長がパソコンの電源落とした。

しっかしこいつ、マジウザい。
 
帰り際、俺の肩に手を置くと
意地悪そうに聞いてきた。

「何だ2人とも、揃って仲良く残業か」
「やだな、そんなんじゃないっすよ」

ウルサイぞお前、黙って帰れよ。
人の恋路を邪魔すんな。

……あれ?

向かいの彼女がちょっと焦って下を向いた。

そうだよな。
変な空気になっちゃうよな?


「じゃあお2人さん、切りの良いところでな」

ニヤっと皮肉めいた笑いを浮かべ、バカ課長は帰っていった。

さっさと帰れ!馬鹿野郎。




 

 

 



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