そっと、きえていく
             *


「ただいまっ」
「あら、おかえり」

トントンと階段をのぼって、自分の部屋に一直線。
いつもはおかあさんの顔を見てただいまと言うのに、今日は焦ってそのまま来てしまった。
ごめんね、おかあさん。

まず、調べると言ったらインターネット。
中学校の名前と、亡くなった、ということをキーワードにしよう。
椅子にこしかけ、早速パソコンを起動する。

心臓が、不自然に脈打つのを感じる。
今野さんと話している時の鼓動とは、全く違った動き。
確かにそうだろう、今からわたしが調べようとしているのは、暗い過去のことなんだから。
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