そっと、きえていく
数分、もっとだろうか。
トシオの熱弁は幕を閉じ、わたしたちは自由の身となった。
「みぃずきっ! まーた、アンタのクラス怒られてたね」
「もう、いつものことだよ、加奈ちゃん。はぁ……」
トシオが教室から出て行ったのと同時に、親友の松原加奈(まつばら・かな)ちゃんが入ってきた。
加奈ちゃんは全体的にスタイリッシュな細身で、こんがり小麦色の肌がいかにも健康そうな、わたしの友達。
わたしと同じで、頭脳は明晰ではないものの、運動は得意なタイプ。
セーラー服の半そでの先っぽを、微妙に折ってるのがオシャレで可愛い。
肌の色に似合う茶髪は髪もサラサラで、巻いたりとかはしていないけどとても存在感のあるヘアーだ。
外見はとにかく派手だけれど、化粧の下の顔もすごく可愛いのを、小さいころからの親友であるわたしはよく知っている。
性格は、見た目からも容易に想像できることだが、ハッキリしているし、かなりズバズバ物を言う。
だけど、そんなはっきりした明るさゆえに、トークは誰よりもおもしろい。
わたしはそんな加奈ちゃんが、本当に大好き。
「今日、部活ないよね。あたしもないから、由実(ゆみ)たちと話そー」
「うん、わたしもそのつもりだった、ってか由実ちゃんからメールきてたし」
「マジ!? えー、何であたしには来てないわけっ?」
あ、ヤバい。
余計なことを言って、加奈ちゃんをちょこっと怒らせてしまった。
「送り忘れじゃない? それに、加奈ちゃんとわたしは、いつも一緒だし」
わたしがそうフォローすると、加奈ちゃんは
「そっかー、そうだよねっ」
ときれいさっぱり、怒りをどこかへ忘れてきたかのように、いつもの笑顔を取り戻すのだった。
トシオの熱弁は幕を閉じ、わたしたちは自由の身となった。
「みぃずきっ! まーた、アンタのクラス怒られてたね」
「もう、いつものことだよ、加奈ちゃん。はぁ……」
トシオが教室から出て行ったのと同時に、親友の松原加奈(まつばら・かな)ちゃんが入ってきた。
加奈ちゃんは全体的にスタイリッシュな細身で、こんがり小麦色の肌がいかにも健康そうな、わたしの友達。
わたしと同じで、頭脳は明晰ではないものの、運動は得意なタイプ。
セーラー服の半そでの先っぽを、微妙に折ってるのがオシャレで可愛い。
肌の色に似合う茶髪は髪もサラサラで、巻いたりとかはしていないけどとても存在感のあるヘアーだ。
外見はとにかく派手だけれど、化粧の下の顔もすごく可愛いのを、小さいころからの親友であるわたしはよく知っている。
性格は、見た目からも容易に想像できることだが、ハッキリしているし、かなりズバズバ物を言う。
だけど、そんなはっきりした明るさゆえに、トークは誰よりもおもしろい。
わたしはそんな加奈ちゃんが、本当に大好き。
「今日、部活ないよね。あたしもないから、由実(ゆみ)たちと話そー」
「うん、わたしもそのつもりだった、ってか由実ちゃんからメールきてたし」
「マジ!? えー、何であたしには来てないわけっ?」
あ、ヤバい。
余計なことを言って、加奈ちゃんをちょこっと怒らせてしまった。
「送り忘れじゃない? それに、加奈ちゃんとわたしは、いつも一緒だし」
わたしがそうフォローすると、加奈ちゃんは
「そっかー、そうだよねっ」
ときれいさっぱり、怒りをどこかへ忘れてきたかのように、いつもの笑顔を取り戻すのだった。