恋の後味はとびきり甘く
「鈴音さんを見たい」
「え……だって」

 ああ、どうしよう。どうして着替えなかったんだろう。キャミソールもブラジャーもショーツも、普段着ているシンプルなペールピンクのだ。レースもちょこっとしかついてないし、ぜんぜんセクシーじゃない! だって、まさかこんな展開になるなんて思ってなかったから……っていうか、家に誘った時点で思わなくちゃいけなかったのかぁ!

 おろおろしている私に、涼介くんが熱のこもったかすれ声でささやく。

「ダメ?」

 そんな甘い声で言われたら……。

「……ベッドサイドランプなら……」

 私は小声で答えて片手を伸ばし、サイドテーブルの上のランプを点けた。淡いオレンジ色のライトの中、涼介くんがふわっと微笑んだ。

「ありがとうございます。そんなに緊張しないでください」

 そうは言われても、初めてなのでどうしても体がガチガチになるのです。

 でも、初めてだって言えないまま、小さくうなずいた。

「うんとやさしくします。だから、俺に食べられてください。いいですね?」
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